イエシロアリ巣の個体数は100万匹超!驚きの生態と発生時期

日本の住宅で被害を引き起こすシロアリの中で、特に注目すべき存在があります。それはイエシロアリです。ヤマトシロアリと比べると、イエシロアリの被害件数は少ないと言われていますが、その被害の大きさはヤマトシロアリに匹敵するほど深刻です。なぜなら、イエシロアリは独特の生態を持っているからです。

イエシロアリは、巣を作らずに移動することが特徴です。そのため、一度侵入した場所から別の場所へと被害を広げていくことがあります。木材だけでなく、壁、床、天井などあらゆる部分に被害を及ぼすことから、その被害の大きさは想像を絶します。

では、イエシロアリの発生時期はいつなのでしょうか?一般的には春から夏にかけてが発生のピークとされています。この時期になると、羽アリたちが新たな巣を作るために飛び立ち、我々の住まいにも現れる可能性が高まります。

イエシロアリの生態や発生時期を詳しく知ることで、適切な対策を講じることができます。ぜひ、今回の記事でイエシロアリの謎に迫り、被害を未然に防ぐ知識を身につけましょう。

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イエシロアリ被害の大きさは日本一!?生態や発生時期

まず、イエシロアリの基本的な情報が以下となります。

基本情報

  • 名前 : イエシロアリ (家白蟻)
  • 目科 : シロアリ目ミゾガシラシロアリ科
  • : 全体的に乳白色 (羽アリは淡褐色=うす茶色)
  • 体長 : 有翅虫(羽アリ)7~8mm/働きアリ5~7mm/女王は最大で40mm
  • 巣の特徴 : 餌場(被害箇所)とは別の場所に巣を作る傾向で土の塊のような大きな球状の巣を作る
  • 巣の個体数 : 最大で100万匹
  • 生息地域 : 千葉県以西の本州南岸

イエシロアリについてさらに詳しく見ていきましょう。ヤマトシロアリと比較すると、イエシロアリは全体的に若干大きく、特に女王アリのサイズは驚くべきものです。ヤマトシロアリの女王アリは約15mm程度ですが、イエシロアリの女王アリは最大で40mmにもなります。その差は一目瞭然で、イエシロアリの女王アリは圧倒的な大きさを誇ります。

また、巣の個体数においてもヤマトシロアリとイエシロアリは大きな差があります。ヤマトシロアリの巣の最大個体数は約3万匹程度ですが、イエシロアリの巣の最大個体数は驚くべき100万匹にも達すると言われています。この巨大な巣の個体数こそが、イエシロアリの被害の大きさが異なる要因の一つとなっています。

イエシロアリの巨大な巣と女王アリの存在が、その被害の拡大と深刻さをもたらしているのです。そのため、イエシロアリの駆除や予防対策は早急に行うことが重要です。

本記事では、イエシロアリの生態や特徴、巣の個体数について深く探求していきます。イエシロアリの謎に迫り、その生態を理解することで、より効果的な対策を講じる手助けとなるでしょう。

日本の主な生息地域

日本国内で現在確認されているイエシロアリの分布図がこちら

引用元 : 日本しろあり対策協会

イエシロアリの生息地についてさらに探ってみましょう。イエシロアリは基本的に日本国内の南側に分布しており、温暖な地域での生息が主です。そのため、九州地方をはじめとする暖かい地域に特に多く見られます。九州は日本独特の湿気もあり、ヤマトシロアリやイエシロアリの生息地域として有名です。

しかし、近年の地球温暖化の影響により、イエシロアリの生息地が拡大しているとも言われています。これは気候の変化によって、従来の分布範囲を越えて新たな地域にもイエシロアリが進出している可能性を示しています。

そのため、上記の分布図においてイエシロアリの生息地域に入っていない地域に住んでいるから安心とは言えません。地球温暖化の進行や気候変動によって、本来の分布範囲を超えてシロアリが広がる可能性があるため、予防工事や対策を行っておくことが重要です。

特に九州地方では、温暖で湿度も高い環境がシロアリにとって好条件となります。そのため、九州にお住まいの方は、早めの予防工事や対策を検討することをおすすめします。地域の特性や気候変動に合わせた対策を行うことで、シロアリ被害から身を守ることができるでしょう。

好む環境

イエシロアリが好む環境は以下の通り

  • じめじめとした湿気の多い場所
  • 大好物の材木がある場所
  • 暗く光や風通しが悪い場所

イエシロアリの被害範囲について、さらに詳しく見てみましょう。一般的には、ヤマトシロアリと同じような場所を好むと言われています。例えば、家屋の場合、床下は彼らにとって理想的な環境となります。しかし、床下に限定されるわけではありません。

実際には、イエシロアリは家屋全体に広がる可能性があります。床下だけでなく、2階や天井など、さまざまな箇所で被害を引き起こすことがあります。この点がイエシロアリの恐ろしい特徴の一つです。

この差異は、彼らの生態に関係しています。ヤマトシロアリは水を運ぶことをせず、湿った材木のみを好んで摂取する傾向があります。そのため、被害が床下に限定される場合が多いのです。一方、イエシロアリは水を運ぶ能力があり、材木を湿らせながら食べ進んでいきます。そのため、被害範囲が広がり、2階や天井まで及ぶ可能性が高いのです。

実際、イエシロアリは巣から最大で100メートル離れた場所まで被害を広げることもあると言われています。そのため、単に床下だけでなく、家屋全体を見て予防や対策を行うことが重要です。イエシロアリが進出する可能性のある場所には注意し、早めの対策を取ることで被害を未然に防ぐことができるでしょう。

巣の特徴(コロニー構成)

イエシロアリも社会性昆虫であり、集団で生活を行い各自階級を持っています。
家族構成が以下となります。

  • 女王・王
  • 兵アリ
  • 働きアリ
  • ニンフ(幼虫であり羽アリ・副王・副女王予備軍)

イエシロアリの巣は驚くべき規模と組織力を持っています。女王や王の存在は巣の安定的な維持に欠かせず、彼らは数え切れないほどのベイビーを生み続けます。一方、兵アリは巣を外敵から守るための頼もしい護衛部隊として働き、働きアリたちは家族のために餌や水を運び、蟻道や巣の構築・補強などあらゆる任務にあたります。

もし女王や王が何らかの理由で不在となり、ニンフなどが生き残っている場合は、巣の存続を保つためにニンフが新たな女王や王に成長する可能性があります。その場合、巣の規模が大きくなればなるほど、完全な駆除はますます困難になってしまいます。

また、ヤマトシロアリは水を運ぶことをせず、被害が発生した場所に巣を形成する傾向があります。しかし、イエシロアリは水を運ぶ能力を持っているため、どこにでも巣を作ることができます。その特徴的な巣は、大きな球状で湿った泥のような構造を持ち、その中心から蟻道が広がり、材木を食べ進んでいきます。

この巣は非常に厄介であり、家屋に被害があった場合、床下や壁の中だけでなく、天井や倉庫、材木の周辺など様々な場所に作られる可能性があります。巣からは餌である材木を求めて侵入してくるため、被害範囲は広がります。

イエシロアリの巣はその広範囲な被害と巧妙な生態から、迅速かつ効果的な対策が求められます。適切な防除策と定期的な点検・予防メンテナンスが重要です。家の安全と平穏を守るために、イエシロアリの生態や巣の特性を理解し、早めの対応を心掛けましょう。

引用元 :https://www.e-igc.jp/blog-nekketsu/2010/08/3572 

イエシロアリの駆除において、巣の撤去は非常に重要です。しかし、時にはイエシロアリが「分巣」と呼ばれる中継地点や補助巣を作ることもあります。このため、巣の正確な位置を特定することは困難な場合もあります。特に一般の方が巣を見つけた場合、それが本当に巣なのか、分巣なのかを特定するのは難しいかもしれません。

上記の画像は、イエシロアリによる分巣の典型的な例です。実際、知識のない一般の人から見れば、それは巣と思われるでしょう。巣と分巣の見分けは、専門的な知識や経験が必要となる場合があります。

イエシロアリの分巣は、主巣からの距離が数メートルから数十メートル程度で形成されることが多く、通常は巣から餌を運ぶための中継地点として機能します。これにより、餌源へのアクセスを効率化し、巣の拡散や被害の範囲を広げる可能性があります。

巣か分巣かを見極めるためには、専門家や害虫駆除業者の助けを借りることが最も確実です。彼らは経験と知識を持ち、適切な対策を提案してくれます。自身で巣と分巣を見分けるのが難しい場合は、専門家の意見を仰ぐことをおすすめします。

イエシロアリの分巣は巧妙で、一般の人にとっては見分けが難しいこともあります。しかし、専門家のサポートを受けることで、正確な情報と効果的な対策を得ることができます。巣や分巣の存在を疑った場合は、迷わず専門家に相談し、早期の対策を取ることが重要です。

発生時期

イエシロアリの繁殖時期は、一般的に5月から8月にかけてと言われています。ただし、ヤマトシロアリと比較するとやや遅い傾向があります。この繁殖とは、単に巣内の個体数の増加ではなく、コロニー全体の数の増加を指します。具体的には、既存の巣からニンフが羽アリへと成長し、新たな巣を築くために飛び立つ時期を指します。

4月から8月にかけては、特に注意が必要です。羽アリが家に飛び込んできた場合でも、落ち着いて行動し、殺虫剤などを使用する前にシロアリ業者に連絡することをおすすめします。専門家が的確な対策を提案し、適切な措置を講じることが重要です。

イエシロアリの羽アリの特徴について、以下の情報があります。

  • 体長 : 7~8mm
  • 色 : 淡褐色=うす茶色
  • 羽 : 胴体と同じ長さで、4枚の羽を持つ

ヤマトシロアリの羽アリと最も大きく異なる点は、色です。ヤマトシロアリは黒いのに対し、イエシロアリは淡褐色またはうす茶色です。体長などにもわずかな差異がありますが、色が最も分かりやすい違いと言えるでしょう。

また、黒アリなど他の種類の羽アリも存在しますが、見分ける上で羽の形状や胴体の特徴が一番役立ちます。イエシロアリは胴体が寸胴で、同じ長さの4枚の羽を持ちます。一方、黒アリなどは胴体にくびれがあり、後ろ側の羽が小さくばらつきがあるのが特徴です。

シロアリの正体を見極めることは重要ですが、見分けが難しい場合は専門家に相談することをおすすめします。彼らは豊富な知識と経験を持ち、正確な判断と効果的な駆除方法を提供してくれます。早期の対策をとるためにも、専門家の支援を頼ることが賢明です。

まとめ

今回は、イエシロアリの生態について詳しくまとめてみました。その特性上、ヤマトシロアリと比べて被害の大きさに違いがあることが分かりました。イエシロアリは圧倒的な個体数を持ち、乾いた材木でも自分たちで水を運んで湿らせ、食害を引き起こすほどの食欲を持っています。また、本体の巣や分巣を家のあらゆる場所に作り、そこから蟻道を伸ばして食害を行っていきます。

そのため、イエシロアリは世界の侵略的外来種ワースト100に指定されるほど、大きな被害をもたらす種類とされています。そのため、イエシロアリの駆除には通常の駆除料金よりも高額な費用がかかる傾向があります。もちろん、被害の程度や巣の状況によって異なりますが、ヤマトシロアリと同じ方法で駆除しても再発する可能性があると言われています。

ヤマトシロアリの場合、巣が食害した場所にあるため、バリア工法や穿孔による薬剤散布で効果的に駆除することができます。しかし、イエシロアリの場合は、食害した場所とは別に巣が存在するため、その巣を対処しなければなりません。あるいは、家の中にいるイエシロアリを完全に駆除する必要があります。

したがって、業者がイエシロアリに対応していることを知っており、通常のヤマトシロアリと同じ駆除料金でありなおかつ非常に安い料金である場合は、再発のリスクがある可能性も否定できません。

最も効果的な方法は、定期的に予防工事を行うことです。5年ごとに予防工事を依頼することで、万が一イエシロアリが発生しても、業者が無料で対応してくれますので、高額な駆除費用を支払う必要がありません。

特にイエシロアリの生息地域にお住まいの方は、高額な駆除費用やリフォームの必要性を考えると、予防工事を検討することが良いでしょう。予防策を講じることで、被害を最小限に抑えることができます。

ヤマトシロアリを駆除する前に生態や発生時期を知ろう

2021.09.21

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